作者
たかどのほうこ 作
内容紹介
熱を出したはるちゃんは、部屋で寝ていなければなりません。
つまらないなあ……。
ところが気がつくと、広い原っぱにいたのです。そして前にも後ろにも、右にも左にも道がのびていて、その先には行ってみたくなるようなすてきな家が見えます。
そこに、それぞれの道の向こうから4人の風の子どもたちが吹き寄せてきて、ひとりずつおはなしを聞かせてくれました。
担当編集者 より
本作は熱を出して寝ているはるちゃんが回復していく「おはなし」であるとともに、風の子たちによる「おはなしの中のおはなし」でもあります。絵の細部を見るほどに、ふたつの世界の不思議なつながりも見えてきます。物語に慣れた子どもさんにもおすすめしたい、読み応えのある一冊です。
風の子たちのおはなしが終わったとき、はるちゃんはすっかり気分がよくなり、目に映るものも色鮮やかに見えています。読者もはるちゃんと一緒に、やさしい風に吹かれるような気持ちよさに包まれることでしょう。本作の心地よい読後感は、物語を語ってもらう喜びそのものなのかもしれません。
ところで、作中では緑色のすももが印象的に描かれています。これは日本ではあまり見かけませんが、ヨーロッパや中東の一部ではポピュラーな品種で、当地を舞台にした文学や映画にはしばしば登場するものです。はるちゃんが未熟な実を食べているわけではないので、ご安心を!
作者情報
たかどのほうこ
函館市生まれ。『おともださにナリマ小』(フレーベル館)で産経児童出版文化賞・フジテレビ賞、『わたし、パリにいったの』(のら書店)で野間児童文芸賞など、受賞多数。絵本に「まあちゃん」シリーズ(福音館書店)、「つんつくせんせい」シリーズ(フレーベル館)、「へんてこもりのはなし」シリーズ(偕成社)など。童話・文芸作品に『みどりいろのたね』『黄色い夏の日』(ともに福音館書店)、「のはらクラブ」シリーズ、『ゆゆのつづき』(ともに理論社)など。札幌市在住。
書誌情報
読んであげるなら | :5・6才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :440円(税込) |
ページ数 | :32ページ |
サイズ | :26×19cm |
初版年月日 | :2023年03月01日 |
通巻 | :こどものとも 804号 |