作者


太田大輔 作

内容紹介


大工のだいきちは腕はいいものの、人並み外れた大寝坊。

あるとき殿様の仕事を頼まれますが、やっぱり寝坊続きで依頼人の侍を怒らせてしまいます。

からくり仕掛けの目覚まし装置でも起きられず、いよいよ徹夜しかないと腹をくくりますが、夜明け前にうつらうつら……。

そのときだいきちの道具箱がガタガタと動き出しました。

担当編集者 より


 朝が弱くて……という方は少なくないと思いますが、本作のだいきちさんは並大抵ではありません。仕事相手が起こしに来ても、頭を木づちで叩かれても、水をかけられても起きないのだから大したもの。それでもなんとかやってこられたのですから、本人だけでなくまわりののどかさもなんだか可笑しいですね。江戸の人々のおおらかな暮らしぶりが好きだという、著者・太田大輔さんのあたたかいまなざしが感じられます。

 読者の子どもたちにとって江戸時代の話は、「むかし」ではあるけれど「昔話」とも違うし、もちろん「現代」とも違う、不思議な世界に感じるかもしれません。太田大輔さんはそんな江戸時代の魅力を描いた作品を数々、子ども向けに届けてこられました。本作でも、細部に江戸らしさを追求しつつ、太田さんならではの現代的な軽やかさも漂わせています。

作者情報


太田大輔(おおただいすけ)


1953年、東京都生まれ。イラストレーター、絵本作家。絵本に『カラクリ江戸あんない』『まげすけさんと しゃべるどうぐ』(「こどものとも」2014年6月号)『ギーコ ギーコ』(「こどものとも年少版」2017年6月号)『みずのつぶが あつまると』(「かがくのとも」2017年7月号)『みんなで龍になる』(「たくさんのふしぎ」2018年2月号/以上、福音館書店)、『絵本 江戸のまち』『絵本 江戸のたび』『絵本 江戸のくらし』、長編童話に『江戸の象吉』(以上、講談社)。挿絵の仕事に『千びきおおかみ 日本のこわい話』(筒井悦子・再話/こぐま社)などがある。

書誌情報


読んであげるなら:4才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2023年03月01日
通巻:こどものとも年中向き 444号