「母の友」2020年1月号(800号記念号)の記事を転載してお届けします。「母の友」は、園や家庭で、子どもたちとの日々がもっと楽しくなるような「子育てのヒント」と「絵本の魅力」を毎月お伝えする雑誌です。

定期購読は、販売代理店(こどものとも社)にお申込みください。


「母の友」ができるまで

ここでは雑誌「母の友」ができるまでの工程をご紹介してみます。

案外、”人力”で作っているんです。

1.企画会議

編集者たちが顔を揃えて、ああだこうだと話し合います。

今月号なら「800号にふさわしい企画ってなんだろう」と。

おおむね笑い声が響いていますが、意見がぶつかるときは緊張感も。

特集のテーマによっては 会議前にいろいろ資料を調べる必要があるのでそれにけっこう 時間がかかります。

特集が決まると表紙絵の100%ORANGEさん(当時)に連絡。

2019年度 はテーマにあわせた絵を毎号考えてくれています。

完成の2か月ほど前

2.寄稿や取材のお願い

  文や写真を集める

「1」を経て取材や寄稿を著者のみなさんにお願いします。

締め切りまでに著者の皆さんはテー マに思いを巡らせ、文章を書いてくれます。

途中で相談したりすることもあります。

インタビュー取材時は編集者がレコーダーで話を録音させてもらいます。

その後「テープ起こし」と呼ばれる声を文字化する作業をした後、適切な文字数の文章に「まとめ」ます。

「母の友」の取材文は基本的に全て編集者が書いています。

写真家さんは取材時、かなりの枚数の写真を撮ってくれます。

その後、まず「セレクト用」という写真データを数十枚程度送ってくれ、その中から、デザイナーさんとも相談しながら数枚の写真を選びます。

そして色合いなどを美しく整えた「本データ」と呼ばれる完成写真を送ってもらいます。

完成の1か月半ほど前

3.デザイン打ち合わせ

  絵を集める

「母の友」のデザイン/アートディレクションを担当してくれている、白石デザインさん(当時)に出かけていって、誌面をどう構成するか打ち合わせをします。

イラストがあったほうがいいね、どんなイラストがいいかな、そんなお話をして、画家さんに絵をお願いします。

絵はカラー?モノクロ?

どれくらいの大きさ?

そして どんなテーマ?

子どもを描くなら何歳くらいの子?

編集者 が伝えたことから、画家さんが 想像力をめぐらして、実際に手 を動かし、絵を 描いてくれます。

完成の?週間前

4.レイアウト作業

文、写真、絵がそろうと、デザイン会社の皆さんがそれを組み合わせてデザインをしてくれ ます。

絵や写真をどれくらいの大きさでいれるのが最適か……編集部も意見を出し……ときに 闘いが勃発します。

「数か月前から準備しているはずなのに、なぜいつもギリギリなのでしょう……」。

デザイナーさんの言葉が編集部一同の胸に刺さる工程です。

5.入稿!

誌面構成が固まると、それを印刷会社さん=図書印刷さんに 渡して (「入稿」と言います)、 「色校」というものを出してもらいます。

印刷物の色あいが実 際の絵や写真とずれていないか どうか。文字に間違いがないか どうかなどチェックをします。

5.校了!

図書印刷さんに「あとはまかせました!」と色校を渡し、印刷を託します。

この後は、図書印刷さんで、印刷、製本を経て、完成です。

完成した「母の友」は、こどものとも社の手を経て、園にお届けします。

絵・得地直美 文・母の友編集部