作者


たむらしげる 作

内容紹介


白い花を見つけたねずみたち。

後日見に行くと、緑の実がなっていました。

ひと口食べてみたら、苦くてまずい! 

それがいちごの実だとわかると、ねずみたちは「はーやく おおきくなーれ」「はーやく あかーくなーれ」と、わくわくしながら生長を待ちつづけます。

そして、いちごが大きく真っ赤に色づいたら、みんなでおいしくいただきます。

担当編集者 より


たむらさんのアトリエに絵本の原画を受け取りに伺ったときに、いちごの赤色は数ある色鉛筆の赤色の中から最も濃く鮮やかに出る赤色を選ばれたことや、印刷では赤色を大事に出してほしいことなど、いちごの赤色へのこだわりをお話しくださいました。後から伺った話ですが、たむらさんは子どもの頃、病気のときに、いちごを食べたくて食べたくて、でも病気が治るまで食べられなくて我慢したというご経験があったそうです。そのときの、「いちごを食べたい! 」と待ち焦がれていた気持ちも思い出しながら、とびきりおいしそうないちごを描いてくださいました。

この絵本ができたとき、ある保育園で読んでもらいました。その日たまたま園見学にきていた男の子が、それまでは恥ずかしそうにお母さんにくっついていたのに、絵本を読み始めると、クラスの子にまじって絵本を見て、最後は嬉しそうにみんなと一緒にいちごを食べる真似をしてくれたのは、思いがけずうれしい出来事でした。

この絵本を読んでもらった子どもたちみんなが、登場人物になりきって、おいしそうにいちごを味わってくれるといいなと思います。

作者情報


たむらしげる


1949年、東京都生まれ。絵本に『おばけのコンサート』『かたつむりタクシー』『ごろんご ゆきだるま』『たべたのだーれだ?』『ねじまきバス』(以上、福音館書店)など多数。漫画に『結晶星』(青林工藝舎)など、画集に『たむらしげる作品集』(玄光社)がある。画文集『メタフィジカル・ナイツ』(架空社)で小学館絵画賞、映像作品『銀河の魚』(SME・ビジュアルワークス)で毎日映画コンクール大藤信郎賞、『クジラの跳躍』(バンダイナムコフィルムワークス)で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞などを受賞。2018年、絵本『よるのおと』(偕成社)で産経児童出版文化賞大賞を受賞。

書誌情報


読んであげるなら:2才から
自分で読むなら:―
定価:460円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:21×20cm
初版年月日:2024年04月01日
通巻:こどものとも年少版 565号