福音館書店の絵本は、全国各地にある「こどものとも社」を通して園のみなさまにお届けしています。
この連載では、そんな「こどものとも社」で働く方のイチ推し絵本を紹介していきます！
こどものとも社の方々の想いや、個性が垣間見える連載にしていきますね。熱心な方々のイチ推し絵本、きっと参考になると思います。
第四回は、「愛知こどものとも社」より、柴田祐治さんのイチ推し絵本です。
こんにちは。愛知こどものとも社、柴田祐治です。普段愛知県内の7市区町を担当させていただいております。
元々は保育士をしていたこともあり、絵本は子どもにとっても保育士にとっても必要なものと思っていましたが、自分に子どもが産まれ、よりその想いを感じられるようになりました。
今子どもが3歳になり、「パパいやっ！ママッ！！」と言われる事が増え、娘Loveの自分としては寂しく感じる事がありますが、絵本は「パパ読んで」と持ってきてくれるので、改めて絵本には感謝をしています。
そんな自分のイチ推し絵本は、こどものとも年少版12月号の「いってみたいな」です。
「いってみたいな」たむらしげる 作
この絵本は、植木鉢のお花屋さん、ジャングルの果物屋さん、お菓子でできたケーキやさん、雪だるまのホテルに、雲の上の動物園。それにちょっとこわいけど、ガイコツ島の古道具屋さんなどいろんなところにいってみたい！ と、子どもの楽しい空想が広がる絵本になっています。ぜひお子さんと一緒に、お気に入りのお店や場所を見つけてみてください。
実際、娘も沢山お店が出てくるページになると、パパはここ、ママはここ、あや(長女)はここ、ふーちゃん(次女)はここと指をさして様々なお店に連れて行ってくれたり、読んだあとはままごとのおもちゃを持ってきて、お店屋さんになって自分たちを招いてくれます。
さらにこの作品には、たむらしげる先生のファンの方におなじみのフープ博士やロボット、そしてファンタスマゴリア(架空社)の世界観がたくさん描かれており、細部をじっくり見ているだけでも楽しい気持ちにしてくれます。
物に溢れ、絵本離れが進む中、書店に行くと玩具のような絵本が目立つところに置かれています。この仕事をしている事もあり、普段から絵本を読み聞かせしているつもりですが、それでも本屋に行けば娘は音が鳴る絵本やアニメのような絵本に目を奪われ、ひとりで遊んでいます。
自分の親が孫にと買ってくれる本もそういった本が多いです。そういった本が全ていけないというわけではありません、ただ高いお金を払ったわりに間違いなくすぐに飽きます。実際我が家もそういった本はしばらく楽しんでからもう出てくることもなく、本棚に眠っています。
ですので、ぜひ物語性のある絵本をお子様に読んであげてください。本来子どもは絵本が大好きなんです。
絵本を読んでもらったり、一緒に物語を楽しんでくれる大好きなお父さんお母さんがいることによってお子様は物語の楽しさや愛情を感じていきます。
絵本を読んであげる事は、大人からの最高の愛情表現だと思います。大人にとっても、子どもの表情を通じて、子育ての楽しさを感じることができます。毎日の仕事で忙しい中、自分の時間が奪われる、子育てって大変な仕事です。
そんな忙しさの中、絵本の読み聞かせをするなんて無理だと思う方もいるかもしれません。ですが、子どもはあっという間に大きくなります。
絵本を読んで！とせがんでくる時期は何年間かしかありません。
絵本を持ってきて読んで！とせがまれた時間は、将来大切な子育ての想い出になるはずです。
絵本を読むときは、家事や仕事の事をほんの少しだけ忘れ、ぜひお子様との時間を全力で楽しんでください。
最後に、たむらしげるさんの最新作「いちごおいしくなーれ」がこどものとも年少版4月号から発売されています。
「いちごおおきくなーれ」たむらしげる作
今の季節にもってこいの子どもも大人も大好きないちごの絵本。いちごが赤く熟していくまでを、主人公のねずみや様々な生き物たちと一緒に楽しみに待つことが出来る素敵なおはなしになっています。ぜひ、全国のこどものとも社からご購入ください。
愛知こどものとも社 柴田祐治
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