2026年に創刊70周年を迎える月刊絵本「こどものとも」では、日本のみならず世界各地のさまざまな昔話を絵本でお届けしてきました。
今回、そのなかから15冊を復刊してお届けします。
世界各地の豊かな文化に触れつつ、個性的でおもしろい昔話の世界をお楽しみください。
4月1日の刊行に合わせて、15作品それぞれの魅力を毎日更新でお伝えいたします。
こどものともひろば 運営係

『おどりトラ』
金森襄作 再話/チョン スクヒャン 画
「世界昔ばなしの旅」二つ目の作品は、韓国・朝鮮の昔話「おどりトラ」。
トラは、人や家畜を食い殺す恐ろしい獣ですが、山の神の化身・使者として人々に身近な存在でもありました。
強く恐ろしい存在のひょうきんだったり、おっちょこちょいだったりする一面を取り上げるのも昔話の魅力です。
おはなしの舞台
山奥に住んでいるたくさんのトラの中に、踊りの大好きなトラがいて、おどりトラと呼ばれていました。
ところがみんなで獲物を追っている最中に踊り出して、獲物を取り逃がしてしまったので、おどりトラは群れから追い出されてしまいました。
それでも踊りの腕を磨いたおどりトラ。ついに不思議な力をもつようになりました。
村や里で魚や米がとれないときに踊ると、たくさんとれるようになったり、病気の子どものところで踊ると、すぐに良くなったり。
踊り歩いているうちに笛や太鼓の音を聞くと、ひとりでに体が動き出すようになりました。

そんなある日、また仲間のところに戻って、木こりを捕まえようとしているその時!笛の音が聞こえてきたので、さあ大変!
韓国の民画のような素朴でユーモラスな味わいのある絵で描き出しました。
金森襄作(かなもりしょうさく)
1942年、京都府生まれ。天理大学朝鮮学科を卒業後、韓国に留学し、延世大学大学院、l高麗大学大学院に学ぶ。朝鮮近現代史専攻。主な著者に『1920年代朝鮮社会主義運動史』(未来社)絵本に『おばけのトッケビ』『こかげにごろり』『あそびトラ』(以上福音館書店)などがある。京都府在住。
チョン スクヒャン
1944年、韓国・全羅南道で生まれる。弘益大学東洋画科を卒業後、京都市立芸術大学に学ぶ。個展や多数のグループ展開催。1968年、祇園祭山鉾「八幡山」の水引原画を作成。韓国美術協会会員。絵本に『おばけのトッケビ』『こかげにごろり』『あそびトラ』(以上福音館書店)『フンブとノンブ』(鶏林館書店)などがある。京都府在住。
書誌情報(セット)
読んであげるなら | :4歳から |
自分で読むなら | :小学低学年から |
定価 | :15冊セット定価16,500円(本体15,000円) |
ページ数 | :各32ページ |
表紙サイズ | :各20×27cm |
初版年月日 | :2024年4月1日 |
シリーズ | :― |