作者


三田村敏正 文/辻川奈美 絵

内容紹介


風船虫を知っていますか? 

田んぼなどの浅い水の中で暮らす小さな昆虫で、かつては多くの子どもが捕まえて遊んでいました。

絵本を読んだら、みなさんも捕まえて、水と小さな紙きれを入れたコップに入れてみましょう。

すると、沈んでいた紙が浮き上がりはじめるのです! 

水中で暮らす昆虫を捕まえる楽しさを伝える絵本。

担当編集者 より


みなさんは風船虫を知っていますか? 

夏の季語でもあり、昔は今よりもずっと馴染み深い昆虫だったようですよ。著名な児童文学者の小川未明も1936年に「風船虫」という童話を書いています。そのなかではなんと、呉服屋さんがショーウィンドウの明かりの下へ水と紙切れを入れたコップを置いておき、勝手にコップに入ってくる風船虫を動く飾りとして活用している……という話も! 

取材のとき、近所の浅い池で風船虫を捕まえてコップにいれていると、見ず知らずの大人や子どもが次々に寄ってきて飽かずにコップを眺めていたので、ショーウィンドウに飾っていたら、さぞかし宣伝効果(?)があったことでしょうね。みなさんもぜひ捕まえてみて下さい!

文章の著者、三田村敏正さんは風船虫をこよなく愛する昆虫の研究者で、絵本は初めてです。絵の著者、辻川奈美さんは『ななくさ つんで』(「かがくのとも」2021年1月号)に続き「かがくのとも」で二回目の登場です。

付録は、辻川さんが絵を描き三田村さんが監修する、様々な水生昆虫を紹介するポスター。風船虫を探していたら見つかるかもしれませんよ!

作者情報


三田村敏正(みたむらとしまさ)


水生昆虫の研究をしつつ、未発見の繭を探す福島県農業総合センター専門員。博士(農学)。著書に『タガメ・ミズムシ・アメンボハンドブック』、『ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシハンドブック』、『繭ハンドブック』、『日本のヤママユガ』。絵本は初めて。

辻川奈美(つじかわなみ)


東京都出身。ほぼ独学で絵を学ぶ。ザ・チョイス4回入選(山口晃選、会田誠選、天明屋尚選、長崎訓子選)、第28回ザ・チョイス年度賞入賞、ペーターズギャラリーコンペ2017有山達也賞次点・サイトウユウスケ賞次点。絵本に『ななくさ つんで』(「かがくのとも」2021年1月号)、『おめん』(岩崎書店)。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:460円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:25×23cm
初版年月日:2024年08月01日
通巻:かがくのとも 665号