福音館書店の絵本は、全国各地にある「こどものとも社」を通して園のみなさまにお届けしています。

この連載では、そんな「こどものとも社」で働く方のイチ推し絵本を紹介していきます!

こどものとも社の方々の想いや、個性が垣間見える連載にしていきますね。熱心な方々のイチ推し絵本、きっと参考になると思います。

第七回は、「株式会社こどものとも千葉営業所」より、山浦真一さんのイチ推し絵本です。

こんにちは。
株式会社こどものとも千葉営業所の山浦です。

普段は、千葉県の松戸市、流山市、柏市、野田市を担当しています。
小学4年生と小学2年生の娘がいます。


私のイチ推しえほん!は、2017年に「こどものとも年少版」の4月号として刊行された、「いちばんせんちょう」です。
「いちばんせんちょう いちばんせんとう ぼくのうしろをついてこい!」
名フレーズですね!
私の家庭では、しばらくの間このフレーズが遊びの始まりの合図でした。

お話は繰り返しの絵本で、主人公のいちくんが白い帽子をかぶって「いちばんせんちょう いちばんせんとう ぼくのうしろをついてこい」とうたいながらあるいていって、どっちに行こうか迷っていると、うさぎがでてきて道を教えてくれます。今度はうさぎがいちくんの帽子をかぶって、「いちばんせんちょう いちばんせんとう ぼくのうしろをついてこい」とうたって、その後ろをついていく。次々に違う動物がでてきて、最後にお母さんが待っているいちくんの家に着くお話です。

みなさんもそうだと思いますが、やはりこどものとも社の社員ですから、0歳の時から一般的な家庭より読み聞かせは多くしていたと思います。
娘たちは二人とも絵本が大好きで、妻は常に、私は寝る前か、朝早く起きて読んであげていました。
私がこの絵本を、イチ推しえほん!に選んだ理由は、お話の内容だけではなく、ほんとうに絵本ってすごい力があるんだということを、初めて実感した作品だからです。

「いちばんせんちょう」は、長女が3歳、次女が1歳の時でした。
色々な絵本を楽しんでいて、様々な反応は見られていたのですが、ある日二人を連れて公園でかくれんぼをしようということになったとき、長女が急に「いちばんせんちょう いちばんせんちょう うしろをついてこい」と歌いだしたのです。
正確には言えていませんでしたが。笑

子どもの中に物語が入り込むということは、絵本講師の方や園の先生からよく伺っていましたから、頭では理解していました。
「いちばんせんちょう」ごっこをしているわが娘の様子を見たとき、まさにそのことが腑に落ちた瞬間でした。
フレーズだけではなく、腕を上げ、指をたてて行進するように歩く姿はまさにいちくんのようでした。そして、その後ろを私と次女がついて歩くという構図。絵本の世界がそのまま目の前にあったのです。
そんなお姉ちゃんを見て、もちろん次女も真似をしました。

公園で遊ぶ時も、家の中で遊ぶ時も、遊びを始める時には、二人のどちらかが指を立てて歌いだし、歌いながらぐるぐる回って遊ぶということを楽しんでからでないと遊びが始められないほどでした。
もちろん今でも仲の良い姉妹ですけれど、その頃は二人が一番仲が良く、微笑ましい時期だったと思います。
今は二人とも大きくなってしまったので言わなくなりましたが、ずいぶん長い間、私の家庭では遊びの始まりの合図でした。とても幸せな思い出です。

絵本はお話しの内容だけではなく、読んでもらった人、環境等全てを含めた大切な思い出、生きる力になると言われます。
私の体験のように、ふとした瞬間に子ども達の力、絵本の力を感じる瞬間が訪れると思います。
お話を楽しんでもらうことはもちろんですが、私たちが園を通じて様々な家庭に絵本を届けることで、子ども達はもちろん、かかわっている大人も幸せになる。
ひとりでも多くの人たちにそれを感じてもらえるように、これからも力を尽くして行きたいと思っています。

余談ですけれど、久しぶりに娘たちと「いちばんせんちょう」を楽しみました。
次女が「いちくんのママ、ギャルだね」と言いました。
「なつかしぃ~」じゃないんだ!?と思いましたが、娘たちの成長を実感してあたたかい気持ちになりました。
子どもたちが小さい頃に楽しんだ絵本を、大きくなってから読むのもいいものですね。

株式会社こどものとも千葉営業所 山浦真一

株式会社こどものとも千葉営業所


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