作者
前川貴行 文・写真
内容紹介
ニホンカモシカは険しい山でくらし、他の動物が通れないような急な崖も、上ったりおりたりすることができます。著者前川さんは、20年以上にわたって青森県の山に通い、その姿を撮影してきました。そして出会ったカモシカの子をパールと名づけます。やがてパールは子を産みますが、暑い夏や雪深い冬を超えて、子育てはうまくいくのでしょうか。

担当編集者 より
ふつう、科学絵本やテレビの自然番組で動物の子育てを紹介するとき、途中は危うい目にあったりしても、最後には子どもがきちんと成長していくことがほとんどかと思います。しかしニホンカモシカの子どもの生存率は3割程度。10匹のうち生き残れるのは3匹なのです。自然写真家の前川さんが青森県の山中で出会ったニホンカモシカ・パールも、毎年のように子を産み、育てていくのですが、その結果は残酷です。読者も前川さんと一緒になって、パールを応援する気持ちで子どもの無事な成長を願うことと思います。改めて野生動物が自然界で生きていくことの厳しさを思い起こされますが、それだけに、ラストシーンでパールが新しく生まれた子どもとともに歩む姿に、深い感慨をおぼえます。
作者情報
前川貴行(まえかわたかゆき)
1969年、東京都生まれ。動物写真家。エンジニアとしてコンピューター関連会社に勤務した後、26歳の頃から独学で写真を始める。1997年より動物写真家・田中光常氏の助手をつとめ、2000年よりフリーの動物写真家としての活動を開始。日本、北米、アフリカ、アジア、そして近年は中米、オセアニアにもそのフィールドを広げ、野生動物の生きる姿をテーマに撮影に取り組み、雑誌、写真集、写真展など、多くのメディアでその作品を発表している。
書誌情報
読んであげるなら | :小学三年生から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :810円(税込) |
ページ数 | :40ページ |
サイズ | :25×19cm |
初版年月日 | :2025年11月01日 |
通巻 | :たくさんのふしぎ 488号 |