作者
蒲生俊敬 文 関口シュン 絵
内容紹介
ある夏、小学生のミウさんとタイヘイさんは、潜水船にのって「超深海」へ向かいます。超深海とは、水深6000メートルを超える非常に深い領域のこと。光がまったく届かないその海底では、変わった姿の生き物たちがくらし、見たことのない地形が広がっていました。「日本海溝」から世界一深い「マリアナ海溝」まで、深い海の世界を探検します。

担当編集者 より
海のない内陸県育ちの私は、子どものころ、大きくて深い に漠然とした憧れを持っていました。近くの山を見上げ、「海はあの山何個分の深さがあるんだろう…」と想像しては胸がドキドキしたものです。
この本のテーマは、海の中でも特に深い「超深海」――水深6000メートルを超える海の世界です。日本アルプスの高山が2つ、3つ重なってしまうほどの深い海の底は、一体どんな光景が広がっているのでしょうか? 海洋学者の蒲生俊敬さんと漫画家の関口シュンさんが、これまでの研究や知見をもとに、ワクワクするお話をつくってくださいました。読者の皆さんも、まるで一緒に深い海へ潜っているような気分で楽しんでいただけたらうれしいです。
実は日本は、超深海と縁が深い国です。日本の周辺には海溝が多くあり、排他的経済水域に含まれる超深海の体積は、なんと日本が世界一なのだそう。また超深海は、私たちの暮らしと意外な形でつながっています。本書を通して、全国の子どもたちが超深海の世界を少しでも身近に感じてくれたらと願っています。
作者情報
蒲生俊敬(がもうとしたか)
1952年、長野県上田市生まれ。東京大学理学部化学科卒業。大学院で理学博士の学位を取得し、東京大学海洋研究所(のち大気海洋研究所)において、深層水の循環、海底温泉、海洋環境の変化などについて研究。研究船上で1740日間を過ごし、深海潜水船に15回乗船。現在、東京大学名誉教授。著書に『日本海のはなし』(たくさんのふしぎ2019年5月号)、『なぞとき深海1万メートル』(窪川かおると共著、講談社)など。
関口シュン(せきぐちしゅん)
1957年、東京生まれ。永島慎二氏に師事し漫画家として月刊ガロにてデビュー。漫画作品のほかに学習絵本作品や児童読み物、犬猫のしつけ本の挿絵など活躍は多岐にわたる。主な作品に『星空の話』(福音館書店)、『日食・月食のひみつ』(子どもの未来社)、たくさんのふしぎには『地球の中に、潜っていくと…』(たくさんのふしぎ傑作集)、『星空をながめて』(2022年9月号)がある。心理占星術家として30年以上のキャリアをもち、講座やセミナーなどで後進の育成にあたっている。
書誌情報
読んであげるなら | :小学三年生から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :810円(税込) |
ページ数 | :40ページ |
サイズ | :25×19cm |
初版年月日 | :2025年08月01日 |
通巻 | :たくさんのふしぎ 485号 |