作者


吉岡さやか

内容紹介


ある日、猫のミミコが散歩にでかけると、道端にタコがいました。

タコは見事に擬態して、ミミコから逃げてしまいます。

その後も、ミミコが散歩にでかけるたびに、いつもどこかにタコの気配が。

気になって後を追い続けるミミコ。

タコは郵便ポストやバス停などに擬態して、ミミコから逃げ続けます。

タコの正体と目的は一体……?

ちょっぴりナンセンスな絵探し絵本。

編集担当者 より


作者の吉岡さやかさんが息子さんと一緒に海水浴に行ったときのこと。

岩場の穴に小さなタコを見つけたそうです。

バケツに入れると、身体をバケツの水色に、手のひらに乗せると手のひらの色に。

となりに貝殻を置くと、色も形も貝殻そっくりに擬態したのだとか。

そのときのタコの様子が心に残った吉岡さんは、それを何年も温めて、この絵本を作りました。

編集担当も以前タコを釣ったことがあるのですが、水をはったバケツに入れて、少し目を離した隙に、器用に脱出されてしまいました……。

タコの動きを見ていると、つくづく得体の知れない、奥深い生き物だと感じます。

この絵本では、そんなタコの底知れぬ魅力が存分に発揮されているように思います。

庭木に郵便ポストにブランコにバス停に犬。

いろんな姿に擬態してミミコから逃げ続けるタコですが、みなさんは全部見つけられましたか? 

タコのほかにも、ミミコが歩くこの街には、ちょっぴり変わった人たちがちらほら登場しています。

バスを待っている人の列には、心なしかタコに似た顔のおじさんも……? 

ちょっぴりナンセンスな世界を、隅々までじっくり眺めてもらえたら嬉しいです。

作者情報


吉岡さやか(よしおかさやか)


兵庫県神戸市生まれ。第21回ザ・チョイス年度賞入賞。第2回MOEイラスト・絵本大賞グランプリ受賞。絵を手がけた作品に『シートンの動物記―野生の「いのち」、6つの物語』(集英社)、『まちをずんずん』(「こどものとも」2007年10月号)『おにいちゃんのサメ』(「こどものとも年中向き」2014年8月号)、自作の絵本に『おむかえ』(「こどものとも年中向き」2013年4月号/以上、福音館書店)。紙芝居に『とりかえっこ』(童心社)などがある。大阪府在住。

書誌情報


読んであげるなら:4才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:19×26cm
初版年月日:2020年11月01日
通巻:こどものとも年中向き416号