作者


島津よしのり

内容紹介


捨てられた古い靴に、やまねずみのお母さんと12匹の子どもたちが住んでいました。

お母さんは靴が壊れてきたので、新しい家に引っ越しをすることに決めました。

さあ、出発です。

かぼちゃ畑を通り、川を渡り、薄暗い森へさしかかったときです。

なんと向こうからヘビがやってきました! 

森の引っ越しで起きるドラマをいきいきと描きます。

編集担当者 より


小学校に上がる前、生まれ育った関東から九州へ引っ越したことがあります。

私もこねずみたちと同じように、いつもより遠いおでかけくらいの気持ちで母についていき、気付いたら目の前に新しい家がありました。

今思い出しても何とも不思議な感覚でした。

作者の島津よしのりさんは、木彫の立体作品を主に制作されています。

巨大な作品も多く、あの細い身体のどこからそんなパワーが出てくるのだろうと不思議に思うくらい力強い作品ばかりです。

また、虫や小動物をモチーフにした作品からは、島津さんの自然へのまなざしが感じられます。

実際、信州の山奥では、いろいろな動物たちがアトリエのそばを訪れていたそうです。

今回、初めての絵本制作にあたっては、木彫で使いなれた木づちとノミを、筆と絵の具に持ちかえて取り組んでくださいました。

島津さんの自然への思いを、おおらかな絵から感じていただければうれしいです。

作者情報


島津よしのり(しまづよしのり)


1944年、東京生まれ。彫刻家。高校卒業後、埼玉県の浦和にアトリエを構え、作家活動を開始。1988年、ロサンゼルス自然史博物館で個展「巨大昆虫とその仲間たち」を開催。1996年、長野県栄村に制作の拠点を移す。2008年、豪雪により工房「木琴館」が崩落したことを機に、埼玉県浦和の自宅へ戻り、現在も精力的に制作活動に取り組んでいる。作品は、自宅に併設されている「モッキンカン 木の森美術館」で観られる。

書誌情報


読んであげるなら:2才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:21×20cm
初版年月日:2020年11月01日
通巻:こどものとも年少版524号