こどものとも0.1.2. 2021年2月号『じゃがーくん』

作者

じゃがーくんが「よいしょよいしょ」と、木のぼりしています。

ふくろうくんが「どこいくの？」とたずねると、「いいとこいいとこ」。

さるくんが「どこいくの？」とたずねても、「いいとこいいとこ」。

どんどん上にのぼるじゃがーくん、いいとこには何があるのでしょうか？

じゃがーくんと一緒に、木のぼりする気分でお楽しみください。

動物園が大好きという藤島さんが描く動物たちの表情は、とぼけていたり、真面目な顔つきだったり、憂いを秘めていたりと、どこかユーモラスでとても魅力的です。

この絵本の制作にあたっても、何度も動物園に通い、ジャガーが木に登る動きを観察して、じゃがーくんのイメージを固めたそう。

その後、何枚ものスケッチやイメージ画、立体模型などを制作して、個性あふれる動物たちの存在とともに、生き生きとしたじゃがーくんの世界を作り上げてくださいました。

ところで、じゃがーくんが“いいとこ”を目指して木を登っていく姿は、赤ちゃんが自分の興味のあるものに向かって夢中ではいはいする姿と、どことなく重なりませんか？

赤ちゃんがじゃがーくんと同じ気持ちで、まんまるお月さまとのご対面を喜んでくれればと思います。

横浜市生まれ。武蔵野美術大学短期大学部卒業。博報堂勤務を経て画家。二科会所属。絵本に『ベッペじいさんとねこ』(「こどものとも」2016年６月号・福音館書店)などがある。