作者
内容紹介
春の日の出来事です。
万次郎さんが山に出かけると、すやすやと眠る3びきの子だぬきを見つけました。すると目を覚ました子だぬきたちが「おなかがすいた」と大騒ぎ。万次郎さんは仕方なく、3びきを家に連れて帰ります。
子だぬきたちに食べ物を用意する万次郎さんの、優しく一生懸命な姿が印象的な物語です。
素朴な味わいが魅力の「万次郎さん」の絵本3作目。
担当編集者 より
作者の本田いづみさんは、本作の制作中に残念ながら亡くなられました。
物語はほぼ完成していましたが、細かな微調整や絵の確認については、ご家族にご協力をいただきました。
特に、何度もお話を伺ったのは本田さんのお母さんです。絵本に登場する草団子は、本田さんが子どもの頃にお母さんが作ってあげた思い出のおやつだったとか。
おやつと言えば、こんなお話も伺いました。
本田さんが第二子の出産のために徳島の実家へ里帰りした折り。赤ちゃんのお世話をしなければならない本田さんに代わって、お母さんが上のお子さんの子守をすることになりました。
1歳半の孫を背負って夜の散歩に出かけると、空には黄色い半月が出ています。それを見てお孫さんは「はんぶんこ」と一言。
いつもおばあちゃんに作ってもらっているカボチャのおまんじゅうを「はんぶんこ」して食べているのを思い出したのでしょう。それが初めて言葉らしい言葉を喋った瞬間だったので、よく覚えているそうです。
たぬきがお団子を食べた後で月夜に踊る場面は、そんな家族の思い出もきっと元になっている、とおっしゃっていました。
作者情報
本田いづみ(ほんだいづみ)
1972~2017年。徳島県出身。徳島県立保育専門学院を卒業後、保育士として5年間勤める。絵本に『万次郎さんとおにぎり』『こぶたのプーちゃん』『万次郎さんとすいか』(「こどものとも年中向き」2015年8月号)『へっちゃらプーちゃん』(「こどものとも年少版」2021年4月号/以上、福音館書店)などがある。
北村人(きたむらじん)
1981年、東京都生まれ。東海大学教養学部芸術学科卒業。TOKYO illustration2007公募にて銅賞入賞。装画を手がけた書籍に『そして生活はつづく』(星野源著/文春文庫)など多数。絵本に『はーい おはよう!』(「こどものとも0.1.2.」2019年5月号)『おひさまでたよ』(絵本館)などがある。
書誌情報
読んであげるなら | :3才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :440円(税込) |
ページ数 | :24ページ |
サイズ | :2×2cm |
初版年月日 | :2020年09月01日 |
通巻 | :ちいさなかがくのとも 246号 |