保育の中で役立つ季節の絵本を折々にご紹介していきます。
『おもち』
彦坂有紀 もりといずみ さく
気づけば、2021年も残すところ2か月足らずとなりました。猫も杓子も大わらわの「師走」ももうすぐです。今日は、2歳から楽しめるお正月にぴったりの絵本『おもち』をご紹介します。ふっくらパリッと焼けたおもちがなんともおいしそう。
おもちを焼いて、ふくらむ様子を見るのは、なぜあんなにわくわくするのでしょう。
予想外の方向へふくらむのが面白くて、子どもの頃じっくり見とれてしまったという方も多いのではないでしょうか。
焼いたあとは、海苔を巻いたり、きなこをまぶしたり、好みの味で食べられるのもうれしいですね。
ところで、彦坂さんともりとさんの描くおもちはどれも魅力的でおいしそうですが、これを木版画で描かれているのですから驚きます。
色を重ねる多色刷りで、おもちの陰影、焼き色の濃淡を見事に表現されています。
くわえて文章で、おもちが焼ける音、においが表現され、おもちを焼いて食べるまでの喜びが五感を通して伝わる絵本になっています。
おもちが大好きな子どもたちがこの絵本を読んだら、きっとおもちを焼いて食べてみたくなるはずです。
絵本では、絵の美しさを優先して描いていますが、実際に食べる時は、大人と一緒に小さくちぎって食べてくださいね。
作者情報
彦坂有紀(ひこさかゆき)
1985年、愛知県生まれ。木版画家。2010年に、もりといずみと彦坂木版工房を始める。木版のすばらしさを伝えるため、展示会や木版のワークショップを行う。2012年よりイラストレーターとして活動を始め、広告や食品のパッケージ、雑貨のイラスト、絵本などで幅広く活動中。
もりといずみ
1987年、東京都生まれ。彦坂木版工房のプロデューサー。彦坂有紀の描いた木版のあらゆるデザインや監修にくわえ、彦坂木版工房主催のイベントの企画を行う。彦坂有紀との絵本に『パン どうぞ』『ケーキ やけました』『コロッケ できました』『スープになりました』『パン ふわふわ』(すべて講談社)『どうぶつクッキー』(学研プラス)がある。
書誌情報
読んであげるなら | :2才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :990円(税込) |
ページ数 | :24ページ |
サイズ | :22×21cm |
初版年月日 | :2021年11月20日(こどものとも年少版2018年1月号) |
シリーズ | :幼児絵本 |