「母の友」2019年2月号の記事を転載してお届けします。「母の友」は、園や家庭で、子どもたちとの日々がもっと楽しくなるような「子育てのヒント」と「絵本の魅力」を毎月お伝えする雑誌です。

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赤ちゃんの みかた


岡いくよ(おかいくよ/助産師、マタニティガーデン主宰)

[連載]㉑ 赤ちゃんのしつけ?


赤ちゃんのいる暮らしにも慣れ、離乳食へ順調に進んでいる生後10か月頃のママから

「最近離乳食を食べているとわざと床にスブーンを落としたり、好きなものしか食べなかったりします。わがままな気もするし、どう接していいのかわかりません」

という話を聞きました。

今回は赤ちゃんに生活のルールなどをどのように伝えていくかについて一緒に考えてみたいと思います。

「ダメって叱っても、笑って相手にしてもらえません」


触って欲しくないものばかり触ったり、コンセントなどもガードしていても、引っ張ったり舐めたり……。

おとなしいなと思ったら何かしているというのは赤ちゃんによくある話です。

危ないので叱っても、ニコッとうれしそうな顔をされるとこちらもつられて笑ってしまうこともありますよね。

赤ちゃんとはいえ、生後8か月ごろ になると、かなり分かっているのではないかな、と感じることによく出会います。

仮に言葉自体は理解していなくても、親の気持ちは十分察知しているので、暮らしのルールや危険について、伝えるべきことはしっかり伝えていきたいですね。

叱るというよりも諭すとか、たしなめるという感じでしょうか。

されると困ること、危険なことは「危ない」「いやよ」など短い言葉で端的に、その場でタイムリーに、子どもの目を見て、手を握り真剣に伝えた方がよく伝わります。

単に怖い顔をしてみる、遠くから「ダメ」と叱る、大きな声で驚かすなどでは何を伝えているのか分かりにくいようです。

■「お友だちを引っかきそうで……」


赤ちゃんは動けるようになると周りのことに興味津々で、お友だちにも関心が向くようになります。

どの子もそうですが人の顔に興味があるので、人 の顔に触れたり、髪を引っ張ったり、 口に手を入れようとしたり。

パパやママの顔にも手を伸ばしてくるのではないでしょうか。 何でもダメダメと規制し過ぎても子どもの経験にもつながらないので難しいですね。

色々方法はありますが、私は、子どもに伝えたしなめていく場合、手とり足とり体で伝える方が効果的だと思います。

お友だちの顔に手が伸びたら、触れる前に手を握り「お顔はやめてね」と目を見て伝えてみる。

大人の顔に手を伸ばしても同じ対応を一貫して続けてください。

大人の顔はよくて、お友だちの顔はダメというのは分かりにくいと思います。

また、家では何も 言わないのに外出時だけ規制する、遠くから声だけかけるというのも伝わらないことが多いようです。

その都度子どもに向き合い手をとって真剣にしっかり見つめながら、体に伝えましょう。

「わざとしている気もします」


子どもの成長とともに親の態度が試されることは多々出てきます。

どこで見ていたのと思うくらい子どもは周りの行動を色々観察しているのですよね。

わざとテーブルの下にスプーンを落として「あーあ」と言いながら親の様子をうかがっている子、大人の真似を楽しむ子、子どもなりに色々考えているのでしょうね。

何度言っても伝わらないと嘆くママ にも出会います。

でも考えてみてください。

一回で「はい」って聞ける方が ちょっとびっくりしちゃいます。

興味を持ってさまざまなことを真似てもらいながら、少しずつ経験を重ねて、繰り返しいろいろな人との関わりのなかで身につけていくことが大切なのではないかなと感じます。

懲りないねと笑いながら、何度失敗を重ねても、今伝えていることが半年先には身につく といいな、くらいの長い目で子どもの成長を見守り、焦らずゆっくり楽しみながら待つゆとりが、赤ちゃんには必要なことだと思っています。