作者
たてのひろし 作
内容紹介
懐中電灯を持って、夜のお散歩にでかけます。
だんだんと灯りが減って道は暗くなり、懐中電灯を消すと、あたりは真っ暗闇。
そこにふわりと現れた光は、ホタルでした。初夏の夜空に星の光、三日月の光、そしてホタルの光が美しく輝きます。
読んだ後にはホタルに会いに行きたくなること間違いなしの一冊、ぜひお楽しみください。
編集担当者 より
『みかづきのよるに』でテーマとして取り上げているのはホタルの光です。
とはいえ、この絵本の中にホタルの生態や、なぜ光るのか、などといった情報はありません。そもそもホタル自体がほぼ描かれていません。
著者のたてのひろしさんが描いたのは「光」です。たてのさんは「子どもたちがホタルに初めて出会うとき、『虫』としてではなく、『光』として出会うはずだ」と考え、ホタルの姿をほとんど描かず、ホタルを「光」として表現しました。
たてのさんは水彩絵具や色鉛筆を用いて、細密な絵を描かれることで知られています。一方で今作は、「たてのひろしの新境地」(本人談)ということで、「パステル」という画材で描かれています。
ホタルの細部を描くのではなく、その「光」を印象的に表現することを考え抜いた末、この画材で描くことを決めたそうです。
ホタルが見られるのは毎年6月前後のほんの短いひと時。たてのさんは数年に渡り幾度もホタルの発生地に足を運び、ときには知り合いのお子さんの協力のもと、ホタルと出会ったときの子どもの反応や、ホタルとの触れ合い方などを確認することもありました。
絵本を読んだ後は、ぜひ夜の散歩にでかけて、「光」としてのホタルに出会っていただけたら嬉しいです。
作者情報
舘野鴻(たてのひろし)
舘野鴻。1968年、神奈川県生まれ。幼少期より画家・熊田千佳慕のアトリエに出入りする。札幌学院大学に進学し、昆虫採集をしながら演劇や舞踏、音楽活動を行なう。大学中退後、神奈川県秦野市への転居をきっかけに生物画の仕事を始める。絵本に『しでむし』『ぎふちょう』『つちはんみょう』『がろあむし』(以上、偕成社)などがある。「かがくのとも」に『こまゆばち』(文・澤口たまみ/2012年10月号)『なりすます むしたち』(文・澤口たまみ/2018年12月号)、「ちいさなかがくのとも」に『なつの はやしの いいにおい』(2014年8月号)『はっぱのうえに』(2019年4月号)がある。
書誌情報
読んであげるなら | :3才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :440円(税込) |
ページ数 | :24ページ |
サイズ | :2×2cm |
初版年月日 | :2022年06月01日 |
通巻 | :ちいさなかがくのとも 243号 |