作者


佐藤秀明 文・写真

内容紹介


川が大好きな野田知佑さんは、ある夏、ユーコン川をイカダで旅します。

旅のお供は、ボーダーコリー犬2匹。

川の流れにのって、のんびりと進みます。

川岸には様々な動物が顔を出します。

夜になるとオーロラが現れ、遠くから狼の遠吠えが聞こえてきます。

小さなイカダの上から、人間と犬がいっしょに対岸の自然を見つめた、一か月の旅の記録。

担当編集者 より


旅の舞台は、カナダ・ユーコン川の上流700kmです。旅をしたのは、カヌーイストであり作家でもある野田知佑さん。根っからの川好きの彼は、『日本の川を旅する』(1982年)などの著書で、カヌーツーリングという新たな旅のスタイルを日本に広めてきました。
今回は手作りのイカダで、先を急がずのんびりと進みます。川の上で手があくとハーモニカを吹いたり、本を読んだり。毎日の食事は、岸で釣った魚(グレイリングやパイクなど)がメインです。
旅のパートナーは、彼の愛犬2匹。やんちゃなアレックスと、すこしおとなしいハナです。川岸に動物がいると、犬たちはすぐに気づきます。夜になると、彼らの遠い祖先であるオオカミの遠吠えが聞こえてくることもありました。

旅をした野田知佑さんは、2022年に亡くなりました。この旅のとき、彼は75歳でした。旅に同行した作者の佐藤秀明さん(写真家)は、彼と50年来の友人で、公私にわたって親交を深めてきました。
この作品で、ユーコンの美しい自然に触れるとともに、川を愛した彼の生き様も感じてもらえればと、佐藤さんは話しています。

作者情報


佐藤秀明(さとうひであき)


1943年新潟県生まれ。日本大学芸術学部卒業。フリー写真家。日本写真家協会会員。1967年ニューヨークへの旅を振り出しに世界や日本を旅し、雑誌やグラフ誌を中心に作品を発表。現在は日本各地の雨を取材中。主な写真集に、『ガクの冒険』(本の雑誌社)、『地球極限の町』(情報センター出版局)、『海まで100マイル』(片岡義男と共著 晶文社)、『ユーコン』(スイッチパブリッシング)など多数。たくさんのふしぎでは、『山里でくらす』(2021年5月号)がある。

書誌情報


読んであげるなら:―
自分で読むなら:小学中学年から
定価:770円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×20cm
初版年月日:2023年08月01日
通巻:たくさんのふしぎ 461号