作者


山崎るり子 文/石川えりこ 絵

内容紹介


ある夏の日、一羽のニワトリが庭に迷いこんできた。

近所の人も誰も心当たりがない、迷子のニワトリ。

わたしはそのニワトリを飼うことにした。

名前は「コッコ」。

思いがけず始まったコッコとの生活は、驚きと喜びでいっぱい。

でもやがて、コッコを手放さなければならないときが来て……。

動物との出会いと別れ、そしてその間の豊かな時間を描いた絵本です。

担当編集者 より


この絵本の物語は、山崎るり子さんの「あの夏のこと」というエッセイ(思潮社『山崎るり子詩集』に掲載)が元になっています。

山崎さんの実体験が綴られたもので、一羽のニワトリと過ごしたひと夏の、奇跡的な時間が鮮やかに描かれています。50年近く前の出来事であるため、コッコのおしりから油を入れたりなど、今では推奨されない飼育方法も登場しますが、当時のエピソードのリアリティを生かして、原作からあまり形を変えずに絵本化していただきました。

コッコを腕に抱いた重さや温かさを、ありありと感じるような絵を描いてくださったのは石川えりこさん。明るい日差しを思わせる色彩や、背後に描かれたタチアオイの花で、夏の空気を表現されています。一冊のなかに凝縮された時間を、ぜひ感じ取ってください。

作者情報


山崎るり子(やまざきるりこ)


1949年、長野県生まれ。横浜美術短期大学卒。1999年に第一詩集『おばあさん』(駿河梅花文学賞)を出版。以後、詩集『だいどころ』(現代詩花椿賞)『風ぼうぼうぼう』(晩翠賞/以上、思潮社)『地球の上でめだまやき』(小さい書房)『猫まち』(中日詩賞/ふらんす堂)他を刊行。絵本作品に『おばけえんは すぐそこです』(福音館書店)がある。愛知県在住。

石川えりこ(いしかわえりこ)


1955年、福岡県生まれ。『ボタ山であそんだころ』で第46回講談社出版文化賞絵本賞などを受賞。絵本に『ほんやねこ』(講談社)『あひる』(くもん出版)『ことしのセーター』『しんやくんのマラカス』など、幼年童話に『てんきのいい日はつくしとり』『しぶがき ほしがき あまいかき』(厚生労働省社会保障審議会特別推薦/以上、福音館書店)などがある。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2023年09月01日
通巻:こどものとも 810号