作者


ねじめ正一 文/大高郁子 絵

内容紹介


ここは、親方と弟子の二人しかいない、小さなすもう部屋。

なかなかすもうが上達しない弟子のために、親方は考えます。

そうだ、動物園の動物たちに、稽古の相手になってもらおう! 

でも、動物好きの弟子は動物をかわいがるばかりで、ちっとも稽古に身が入らなくて……。

一生懸命な親方とのんきな弟子の対比がおかしい、ユーモアに溢れた物語。

担当編集者 より


近年、『ワニはなび』(「こどものとも年中向き」2022年8月号)『オニとワニ はるなつあきふゆ はいくえほん』(「こどものとも」2023年1月号)など、俳句を題材にした絵本を続けて書いてこられたねじめ正一さん。この絵本のお話も「弟子ひとり親方ひとりちゃんこ鍋」という一句から想像を広げて書かれました。鍋をたった二人で囲む様子はちょっと物寂しくもありますが、親子のような親密さも感じられます。

ちなみに二人の名前は文中には出てきませんが、背景のなかで大高郁子さんがこっそりと「松乃山」「しこ丸」と命名しています。一見平凡そうな飼育員さんは只野さん(読み進めていくと、実際は只者ではないことが分かってくるのですが)。名前のついていない園長さんも、動物の柄をあしらった洋服をたくさん持っていたりと、脇役ながら個性派です。
そんな遊び心溢れる細部も、ぜひじっくりと見てお楽しみください。

作者情報


ねじめ正一(ねじめしょういち)


1948年、東京都生まれ。詩集『ふ』(櫓人出版会)でH氏賞、小説『高円寺純情商店街』(新潮社)で直木賞、『荒地の恋』(文藝春秋)で中央公論文芸賞を受賞。子ども向けの作品に『オニとワニ』(「こどものとも」2023年1月号)『ゆかしたのワニ』『ずんずんばたばたおるすばん』(以上、福音館書店)など多数。

大高郁子(おおたかいくこ)

1964年、兵庫県生まれ。京都精華大学デザイン学科卒業。2013年、HBギャラリーファイルコンペ日下潤一賞受賞。装画の仕事に吉田武『はじめまして数学』、大栗博司『数学の言葉で世界を見たら』など、著書に『久保田万太郎の履歴書』など、web連載に「漱石クロニクル」など。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2024年01月01日
通巻:こどものとも 814号