2026年に創刊70周年を迎える月刊絵本「こどものとも」では、日本のみならず世界各地のさまざまな昔話を絵本でお届けしてきました。


今回、そのなかから15冊を復刊してお届けします。


世界各地の豊かな文化に触れつつ、個性的でおもしろい昔話の世界をお楽しみください。

4月1日の刊行に合わせて、15作品それぞれの魅力を毎日更新でお伝えいたします。

こどものともひろば 運営係


『おにより つよい おれまーい』

土方久功 再話・画

「世界昔ばなしの旅」7つ目の作品は、ミクロネシア・サトワヌ島の昔話「おにより つよい おれまーい」です。

サトワヌ島は南太平洋のミクロネシア諸島の中の小さい島。
その島に生まれた男の子「おれまーい」のおはなしです。

おはなしの舞台


島の男の子おれまーいは生まれるとすぐはいはいができ、4日たつと歩きはじめ、1日1日と大きくなって、村一番の力持ちで乱暴者の子どもになりました。

おれまーいを恐れた村人たちは、彼を殺してしまおうと手をつくしますが、うまくいきません。村人がおれまーいの上に倒れるように木を切っても、彼は座ったまま木を受け止めます。海に沈めてみても、たくさんの魚と一緒に海からあがってくるのです。

ついに、村人たちはおれまーいを恐ろしい鬼の住む島に置き去りにします。ところがおれまーいはちっとも怖がらず、鬼とけんかをはじめるのでした。そして鬼を倒し、船をもらって再び村に帰ってくるのです。

このお話は、南太平洋ミクロネシア諸島の中にあるサトワヌ島で、土方久功さんが自ら採集した昔話です。数々の災難を自分の強さで切り抜ける痛快な物語を、豊かな絵ともにお楽しみください。

土方久功(ひじかたひさかつ)


東京都生まれ。1924年、東京美術学校彫刻科卒業。1929年に南洋パラオ島へ渡り、さらに1931年にヤップ離島のサトワヌ島へ渡って、原住民と生活を共にしながら、彫刻の制作と島の民族学的な研究を行った。絵本に『山の上の火』(岩波書店)『ぶたぶたくんの おかいもの』(こどものとも絵本)『おおきな かぬー』(「こどものとも」1963年1月号)『ゆかいな さんぽ』(「同」1965年11月号/以上、福音館書店)、著書に『土方久功著作集1~8』(三一書房)などがある。

書誌情報(セット)


読んであげるなら:4歳から
自分で読むなら:小学低学年から
定価:15冊セット定価16,500円(本体15,000円)
ページ数:各32ページ
表紙サイズ:各20×27cm
初版年月日:2024年4月1日
シリーズ:―