作者
伊藤秀男 作
内容紹介
釣り人が、さつまいもを練った餌を川に投げ込みました。
川の中ではそれを、フナのきんたとぎんこが見ています。
この黄色くて丸いものはなんだろう? 食べられるのかな?
不思議に思った2匹に声をかけられて、カメのかめきちくん、ウナギのうなどん、ナマズのひげじいさんといった川の仲間たちが、続々と集まってきます。
担当編集者 より
著者の伊藤秀男さんは、木曽川流れる愛知県西部のご出身です。大小の川や水路が身近にあり、子どもの頃からよく釣りをして遊んだのだとか。今や天然記念物に指定されているイタセンパラをはじめ、本作に登場する魚たちは、子どものころ伊藤さんが実際に川で見てきた魚なのだそうです。
伊藤さんが以前描かれた『さかなつり』(「こどものとも」2001年7月号)という絵本では、川釣りに来た男の子が最後に大きなコイを釣り上げますが、本作の魚たちは釣り人より一枚うわ手。みごと釣り針を見破ります。伊藤さんご自身はその変化について「私も、どうしても釣りたいという欲がなくなったのかもしれませんね」と笑いますが、少年時代をともに過ごした魚たちに捧げる深い愛情が、本作の結末を導いたように思えてなりません。
愛着たっぷりに描かれた表情豊かな魚たち、どうぞじっくりご覧ください。
作者情報
伊藤秀男(いとうひでお)
1950年、愛知県生まれ。『海の夏』(ほるぷ出版)で第41回小学館絵画賞、『けんかのきもち』で第7回日本絵本賞大賞、『タケノコごはん』(ともにポプラ社)で第21回日本絵本賞を受賞。『うしお』(ビリケン出版)でIBBYオナーリスト。その他の絵本に『とうちゃんのちゃんぽんめん』(「こどものとも年少版」2021年7月号)『たべもの』『町のけんきゅう』(以上、福音館書店)など多数。名古屋市在住。
書誌情報
読んであげるなら | :5・6才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :460円(税込) |
ページ数 | :32ページ |
サイズ | :26×19cm |
初版年月日 | :2024年07月01日 |
通巻 | :こどものとも 820号 |