作者


菅原久夫 文/福井利佐

内容紹介


冬の終わり、富士山では毎年、雪崩が発生します。

雪崩は木々をなぎ倒し、森を荒地にしてしまいます。

荒地は岩や石ばかりで草木の育ちにくい所。

富士山の荒地は、毎年の雪崩によって広がり続けるのでしょうか? 

しかし、春がやって来ると、荒地のあちこちに小さな芽が! カラマツの芽です。

カラマツは富士山の荒地でまっさきに芽生え、森をつくっていく木なのです。

担当編集者 より


富士山では毎年、冬の終わりに雪崩が発生します。

雪崩は木々をなぎ倒し、森を荒地にしてしまいます。

荒地は岩や石ばかりで草木の育ちにくい所です。

そんな荒地に最初に芽生える植物を、パイオニア植物と呼びます。

この作品は、富士山のパイオニア植物であるカラマツが、何十年も何百年もかけて、荒地に森をつくる様子をご紹介します。


絵本の物語を紡いだのは、50年以上に渡り、毎年50回以上富士山に登り続け、その植物を研究してきた菅原久夫さんです。

そして絵は、静岡県出身の切り絵アーティスト、福井利佐さんによるものです。

菅原さんの案内による幾度もの富士登山を経て切り出された絵には、壮大な自然の営みが見事なまでに凝縮され宿っています。

カラマツの森は、富士山の五合目周辺でみられます。

車やバスを使えば誰もが簡単に訪れることができる所です。

絵本を読んだら、是非いつか、カラマツの森を訪れていただければと願っています。

作者情報


菅原久夫(すがわらひさお)


1943年宮城県生まれ。横浜国立大学卒業。植生・植物研究家。著書に『色別 野の花図鑑』(小学館)等。現在フリーで活動。「かがくのとも」は『まつぼっくり』(2015年11月号/現在品切)に続き11作目。静岡県在住。

福井利佐(ふくいりさ)


切り絵アーティスト。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。精密な描写と大胆な構図が特徴。国内外の展示等多方面で活躍。「かがくのとも」に『むしたちの おとの せかい』(2019年7月号/現在品切)がある。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:25×23cm
初版年月日:2022年11月01日
通巻:かがくのとも 644号